感染症に立ち向かうための歯科医療

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歯科医院の守り(感染防止) と 攻め(免疫力向上)の2つの対策

1. 小さな努力の積み重ねが感染の拡大を防止する

1. 小さな努力の積み重ねが感染の拡大を防止する

2019年に一部の地域からはじまり、2020年にはパンデミック化(感染症の世界的拡大)にまで発展した新型コロナウイルス(COVID-19)による脅威。 日本においても、都市封鎖(ロックダウン)までは至らないものの、全国的に不要不急時の外出自粛を余儀なくされ、日本国民全員が大きなストレスを抱えると共に、教育・経済・医療などあらゆる社会システムに多大なダメージを被る結果となりました。

2020年6月に入り、一旦の落ち着きを見せたものの、未だ再感染の恐怖を恐れながらの新しいライフスタイルを模索しながらの社会活動が行われています。

私達にできること

そんな中、私たち歯科医療が果たすべき役割として、ウイルス感染をただ闇雲に恐れるのではなく、

  • 医療機関内での感染拡大をさせないための取り組み
  • 患者さんがウイルス感染・重症化を日常生活でも引き起こさないようにする取り組み

が求められています。
新型コロナウイルス(COVID-19)では、日進月歩で様々な情報が発表・報告されていますが、ワクチンの開発だけに頼ることなく、日常の小さな習慣を変えていくことで、守ることができる健康も多いものです。
今回の体験をもとに、これからの時代を私達が健康に過ごし生活を続けるうえでの当院の新たな取り組みと、患者さんに是非知っていただきたい口腔衛生と全身の健康との関係性をご紹介させていただきたいと思います。

2. COVID-19に対する当院の取り組み

COVID-19の感染経路については、「飛沫感染」「接触感染」の2つが大きく取り上げられました。 飛沫感染は、その名前の通り、

  • 人が咳やくしゃみをする
  • 人が会話をする

などの行為により、だ液などの体液が周囲に飛散し、その飛沫にウイルスが含まれていた場合に、他者の口腔内・鼻腔・目などの粘膜に直接飛沫が触れることによって感染するものです。
歯科医院では、口腔内に直接触れる業務であることから、COVID-19の感染拡大よりももっと前の段階から、「院内感染防止対策」を徹底して行ってきています。
COVID-19だけでなく、飛沫感染リスクは、例えばC型肝炎・B型肝炎に代表される肝炎、エイズ・HIVウイルスなど数え上げればキリがないほど、様々な病気やウイルスに当てはまります。
したがって、これらの感染リスクを最小化するための取り組みは、もともとほとんどの歯科医院では行われていると言えます。
例えば、治療に用いられる口腔内に触れる治療器具は、飲食店での洗浄レベルではなく、「殺菌(ウイルス・細菌を完全にゼロにする)」レベルで常に実施されています。
その上で、現在では、生活レベルでの飛沫飛散防止の対策として、下記を実施し飛沫拡散防止を更に強化しています。

飛沫飛散防止の対策
  • 飛沫飛散防止の対策

    受付スタッフ・カウンセリングスタッフを含めた全従業員のマスク着用の徹底

  • 飛沫飛散防止の対策

    受付カウンターでの飛沫防止フィルターの設置

また、接触感染については、具体的にはウイルスが付着しているモノに手で触れ、その手にウイルスが移り、ウイルスが付いた手で、口・鼻・目などの粘膜に触れて感染することを言います。

アルコールによる手指消毒を徹底

アルコールによる手指消毒を徹底

当院では、従業員は院内に立ち入る前に必ずアルコールによる手指消毒を徹底して行うことはもちろんのこと、患者さんごとに治療前後で手指洗浄・アルコール消毒を徹底した上で、グローブを常に交換しながら治療にあたっています。

また、治療終了後のチェア(診療ユニット)についても、患者さんが触れる箇所はもちろんのこと、飛沫が飛ぶ可能性がある場所は可能な限り、アルコール等の抗菌・除菌薬品を用いて消毒を徹底しております。

しかしながら、接触感染の防止において最も大切なことは、「院内にウイルスを持ち込まない・持ちこませない」ということであり、残念ながらこれにおいては従業員の努力でけでは不十分であり、患者さんにもご協力をお願いする必要があります。
そこで、当院ではまず来院されてすぐの手指のアルコール消毒をすべての患者さんにお願いをしております。
また、現状は全ての患者さんにマスクの着用の徹底もお願いしており、治療時を除き、院内ではマスクの着用をお願いしております。
クリニックと患者さんの共同作業により、安心・安全な医療環境を構築することができております。

3. 新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化と口腔衛生の関係性

COVID-19で最も危惧される重篤化症状は「肺炎」であることは周知の事実です。
では、肺炎には「ウイルス性」と「細菌性」の2つの種類があることをご存じでしょうか?

鶴見大学歯学部探索歯学講座花田信弘教授によると、肺炎が重篤化する理由は、「ウイルス性肺炎」に罹患した後に引き起こされる「細菌性肺炎」によるものとの研究が示されています。

元々、肺の中には“細菌”は存在しません。何らかの影響で新型コロナウイルスに感染した後、肺炎を重篤化させる細菌はいったいどこからやってくるのでしょうか?

歯科業界では、昔から口腔内の病菌の原因は「細菌」であることが知られており、歯科治療・口腔ケアと細菌感染は避けて通ることができない関係にあります。そんな中、昔から歯科業界が警鐘を鳴らしつづけている病気の1つに「誤嚥性肺炎」というものがあります。

誤嚥性肺炎とは、食べたものやだ液を飲みこむ際、本来は食道を通って胃に到達するはずのものが、誤って気管(気道)に入ってしまい、肺に炎症をもたらしてしまう病気を指します。
この炎症のもとになっているのが、実は口腔内にいた歯周病菌などの悪玉細菌なのです。

細菌性肺炎を引き起こす根本原因は「歯周病菌などの口腔内細菌の増殖」であることも花田教授より同時に指摘されており、口腔衛生(歯・舌・咽頭・粘膜等)を正常に保つ歯科的な予防メンテナンスが新型コロナウイルスによる重症化予防に大きく寄与することが報告されています。

したがって、新型コロナウイルスの重症化・重篤化を防ぐうえでは、常に「お口の中が綺麗で清潔に保たれていること=悪玉細菌がコントロールされている状況を作りだすこと」がお口だけでなく、全身の健康維持・促進にとって重要であることが分かります。

特に、基礎疾患を持つ方ほど、積極的に専門家による口腔ケアを受ける必要性が高いと言えます。

口腔衛生のスペシャリスト「歯科衛生士」

口腔衛生のスペシャリスト「歯科衛生士」

当院では、口腔衛生のスペシャリストともいえる国家資格を持つ歯科衛生士が多数在籍しており、口腔内の細菌環境のコントロールを専門の医療器具をもちいて丁寧に行うことができる環境を整備しております。そのため、むし歯や歯周病の治療のためだけでなく、口腔環境を維持するための予防を目的として来院されている方も少なくはありません。

また、誤嚥性肺炎の基となる細菌は、歯の表面だけでなく「舌苔」と呼ばれる白い付着物として、舌の表面に多く集まっていることも指摘されています。したがって、ホームケアとしての舌クリーニングもとても重要となりますが、舌はとても繊細な軟組織であり、適切な器具の使用方法を知らずに舌クリーニングを行うことは、かえって細菌の増殖や舌を傷つけることに繋がるおそれもあります。

これから始まる新しい生活様式の中に、歯科における口腔衛生管理は非常に大きな役割を果たすこととなります。より詳しくお話を聞きたいという方は、是非一度、当院の歯科医師・歯科衛生士にお尋ねください。

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